こんにちは。つーです。
今回は、システムエンジニアとITコンサルタントの両方を経験している私が、システムエンジニアとITコンサルタントの違いや共通点を解説していこうと思います。
ちなみに、私は、日系の大手メーカーで、システムエンジニアとして、キャリアをスタートしました。現在は、大手コンサルティングファームで、シニアマネージャーとして複数の案件に関与し日々奮闘しています。
システムエンジニアとITコンサルタントでは、求められるスキルが大きく異なるため、転職直後は、とても苦労しました。
キャリアの1年目をコンサルティングファームからスタートした方が、コンサルタントとしての昇進スピードは速いですが、振り返ってみると、システムエンジニアを経てからITコンサルタントに転身して、個人的にはとても良かったと考えています。
なぜなら、「システム開発の広範かつ深い知識やスキル、経験があるため、クライアントやベンダーと対等にコミュニケーションを行える」からです。
その結果として、「クライアントやベンダー、上司や部下など他のコンサルタントからも信頼を獲得でき、コンサルタントとして、自信をもってプロジェクトをリードできます」。
システムエンジニアからコンサルタントへの転身は、プロモーション面ではプロパー(新卒入社)より効率が落ちますが、急がば回れです
ということで、システムエンジニアからITコンサルタントへの職種変更がおすすめな理由について、違いや共通点をふまえて、以降で解説していきます。
ITコンサルタントに興味のあるエンジニアや将来の方向性に悩まれている方の参考になれば幸いです。
ITコンサルタントとシステムエンジニアの違い
まずは、ITコンサルタントとシステムエンジニアの違いをざっくりまとめておきます。
システムエンジニアのミッションと業務
システムエンジニアは、予算や納期という制約下で、不具合がなく、ユーザーが満足するシステムを作り上げることがゴールです。
製造業では欠かすことのできない重要な要素として、QCDという概念があります。
これは、システム開発も同様で、Quality(品質)の担保、Cost(コスト)の削減、Delivery(納期)の遵守がシステムエンジニアの関心事となります。
ちなみに、システムエンジニアの業務は、システムに必要な画面や機能、帳票、データ、インタフェースなどの要件とベンダーが提案するソリューションを顧客とすり合わせる要件定義工程から始まることが一般的です。
以降、システムの外観や内部の設計、プログラミング、テストという一連の工程で必要な業務を担当します。
- システム要件定義
- 外部設計
- 内部設計
- プログラム設計
- プログラミング/ユニットテスト
- 単体テスト
- 内部結合テスト
- 外部結合テスト
- 総合テスト
ITコンサルタントのミッションと業務
一方、ITコンサルタントは、クライアント企業の売上向上やコスト削減など「経営に寄与する情報システムはどうあるべきか」が関心事となります。
私は、ITコンサルタントとして、クライアント企業の業務改善やシステム構想策定、システム導入プロジェクトの実行支援を担っています。
- クライアント企業のIT戦略策定、ITロードマップの策定
- 現行業務・システムの課題抽出、システム化施策の検討
- システム導入の費用対効果分析
- システム構想策定、RFP(提案依頼書)の作成
- システム/パッケージ・ベンダーの評価選定
- システム開発プロジェクトの実行支援(PMO)
ITコンサルタントもシステム開発経験が必須
大規模で困難なシステム開発プロジェクトには、必ずといっていいほどコンサルティングファームのコンサルタントが参画しています。
コンサルタントは、クライアント企業のシステム構想策定フェーズなど超上流フェーズからプロジェクトに参画し、システム全体のグランド・デザインやベンダーに提示するRFP(提案依頼書)の作成、システムベンダーの評価選定など、クライアント企業を支援します。
また、ベンダーが参画する要件定義以降のシステム開発プロジェクトにも参画し、多くのベンダーやクライアント企業の要員をとりまとめ、プロジェクト全体を強力にリードする役割を担うことも多いです。
そのため、ITコンサルタントには、システム開発に関わる広範かつ深い知識が必要であり、クライアントやベンダーと対当にコミュニケーションし、プロジェクトをリードする高いマネジメント力が求められます。
でも、中には、システム開発フェーズをまったく知らないコンサルタントや最新技術についていけなくなったITコンサルタントもいます。
私のシステムエンジニア時代の話ですが、システム開発経験のないコンサルタントが開発フェーズに関与し、理想論ばかりを口出ししてプロジェクトの進行に支障を来すなど、非常に苦労した経験があります。
昨今、大手コンサルティングファームの経営コンサルタントが続々とITの領域に足を踏み込んでいますが、個人的には、システム開発の難しさや泥臭さを経験しているシステムエンジニアが経営面に踏み込んで、優秀なITコンサルタントになった方が効率的と考えています。
経営の視点はもちろん、システム開発経験が豊富なITコンサルタントは、どこでも非常に重宝されますよ
優秀なシステムエンジニアは、コンサルファームへの転職にぜひチャンレジを!
私がシステムエンジニア経験を経て、ITコンサルタントに転身して感じることは、システムエンジニアもITコンサルタントも非常にやりがいのある魅力的な職種だということです。
ITコンサルタントは、経営の視点で、クライアント企業の経営に寄与するシステムをデザインできます。システムエンジニアは、システムを設計し開発できます。
ただし、システムエンジニアにもITコンサルタントにも必須のシステム開発経験は、コンサルティングファームではなかなか磨くことができません。
なので、個人的には、優秀なシステムエンジニアの方に、ぜひコンサルティングファームへの転職にチャレンジして活躍してほしいと思っています。
もちろん、システムエンジニアからコンサルタントへの職種変更にあたり、コンサルタントとして求められるスキルも必要となるため、転職後は大きな苦労も伴います。
これについては、こちらの記事「システムエンジニアがコンサル転職直後に直面するスキルギャップを埋める方法【おすすめ書籍】」もおすすめです。
でも、システムエンジニアは、元来、知的好奇心のある方が多く、勉強家、努力家が多いので、コンサルティングファームへの転職後も、しっかりとキャッチアップし活躍できると考えています。
ITコンサルタントに興味のある方は、ぜひコンサルティングファームへの転職にチャレンジしてみてください。
すまーとちゃんねるを閲覧いただきありがとうございました。
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