目的と目標は、一見似ているようですが、ビジネスにおいては異なる言葉として理解しておく必要があります。今回は、「目的」と「目標」の違いについて自分なりの備忘録を残したいと思います。
目的の定義
ビジネスの現場において、「目的」という言葉は、「最終的に達成したい事柄」「目指すべき到達点」という形で用います。企業にとっては、最終的に到達したいゴール、存在意義そのものです。
それでは、企業の目的は何かという観点で理解を深めていきましょう。
企業の目的は、顧客の創造(ピーター・ドラッカー)
「マネジメント」という言葉を最初に世に広く知らしめた「ピーター・ドラッカー」氏は、企業の目的は「顧客に選ばれる商品・サービスを提供すること」であると言っています。
「企業とは何かを理解するには、企業の目的から考えなければならない。企業の目的は、それぞれの企業の外にある。事実、企業は社会の機関であり、その目的は社会にある。企業の目的として有効な定義は一つしかない。すなわち、顧客の創造である。」
企業の目的は、従業員の幸福の追求と社会貢献(稲盛和夫)
京セラ、KDDIなどを創業し、日本航空の再建を果たした経営者の「稲盛和夫」氏は、「人を幸せにしたり、社会のためになる活動を行うこと」が企業の目的であると言っています。
『全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献する』これ以外に、企業の目的はない
目的は、広辞苑でも同様の内容で定義されています。
- 成し遂げようと目指す事柄。行為の目指すところ。意図している事柄。
- 意志によってその実現が欲求され、行為の目標として行為を規定し、方向づけるもの。
目標の定義
ビジネスの現場において、「目標」という言葉は、「目的を達成するために設けたマイルストーン、指標」です。ある目的を達成するために、そこに到達するまでの過程として掲げる具体的な指標が「目標」と考えます。
具体的な指標が目標であるため、顧客獲得数や売上目標などが例として分かりやすいと思います。ただし、目標として設定した数字は、あくまでも目的を達成するための道のりで指標となるもの(マイルストーン)に過ぎません。
一つ一つの目標を達成した先にある、最後に実現したい大きな目標が目的になるというイメージです。目標の数字を達成することが目的(手段の目的化)とならないように注意が必要です。
目標設定のフレームワーク『SMART』
目的を達成するためにどのような考え方で目標を設定すべきかについて、こちらの記事「目標設定の5つのポイント「SMART」とは?」がとても分かりやすかったので紹介します。「SMART」は、以下の英単語の頭文字をとったものになります。
- Specific(具体的に)
誰が読んでもわかる、明確で具体的な表現や言葉で書き表す - Measurable(測定可能な)
目標の達成度合いが本人にも上司にも判断できるよう、その内容を定量化して表す - Achievable(達成可能な)
希望や願望ではなく、その目標が達成可能な現実的内容かどうかを確認する - Related(経営目標に関連した)
設定した目標が職務記述書に基づくものであるかどうか。と同時に自分が属する部署の目標、さらには会社の目標に関連する内容になっているかどうかを確認する - Time-bound(時間制約がある)
いつまでに目標を達成するか、その期限を設定する
こちらの記事を読もうと思った当初の目的は解決できましたか?
こちらの記事「用語の定義|事象・問題・課題の違い」もおススメです。
すまーとちゃんねるを閲覧いただきありがとうございました。
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