今回は、事象・問題・課題という用語の定義について、自分なりの解釈を備忘録として記載します
ビジネスの場面において、事象、問題、課題という用語は頻繫に登場します
例えば、プロジェクトを進める中で、システム不具合の多発、納期の遅延、コストの悪化などが発生するみられます
これらは、事象でしょうか?問題でしょうか?課題でしょうか?
これらは、いずれも事象です
事象とは
ビジネスの現場において「事象」は、「生じている現象」、「どの人にとっても変わらない客観的な事実」という形で用います
例)成果物の納品が期日に間に合わなかった
広辞苑では、「事象」は以下のように定義されますが、上記の定義の方がずっと分かりやすいですね
- ことの成行き・様子。ことがら。
- 〔数〕確率が定められることがら。試行の結果をみて、起こったか起こらなかったかが確定されることがら。標本空間の部分集合と同一視される。偶然事象。
問題とは
ビジネスの現場において、「問題」は、「現状(As-Is)とあるべき姿(To-Be)とのギャップ」という形で用います
ちなみに、広辞苑では「問題」は以下のように定義されています
- 問いかけて答えさせる題。解答を要する問い。
- 研究・論議して解決すべき事柄。
- 争論の材料となる事件。面倒な事件。
- 人々の注目を集めている(集めてしかるべき)こと。
現状とあるべき姿のギャップを問題と定義する場合、例えば、以下のようになります
ちなみに、「事象」は、どの人にとっても変わらない客観的な事実と説明しましたが、その事象を「問題だ」と考える人もいれば、「問題」と考えない人もいます
これは、事象の捉え方がその人の立場、責任範囲などによって異なるからです
例えば、社長、部門長、担当者などのレイヤーの違いによって事象の見え方、捉え方は異なります
これは、視点・視野・視座の違いによるものや「こうあるべきだ」という「あるべき姿」がそもそも異なっている場合もあるからです
問題を定義する際は、どの人にとっての問題なのかもあわせて明らかにしておくことが重要です
こちらの書籍「外資系コンサルの知的生産術」はとても参考になるので、興味があればご参考ください

課題とは
広辞苑では、「課題」は、以下のように定義されています
題、また問題を課すること。また、課せられた題・問題。
ビジネスの現場において、「課題」は、「問題を解決するための原因」として用います
問題の原因は、1つとは限りません。原因には、さらなる原因が存在する場合があります
トヨタでは、なぜ?なぜ?となぜを5回繰り返して、真の原因(真因)を特定しようということが全社的に浸透しています
このように問題を主体的に解決するために、原因を探り当てること、課題化するという考え方がとても重要です
- 計画が妥当でない
- 見積りがいい加減、精度が低い
- 進捗管理ができていない
- プロジェクトマネージャーのスキル不足
課題が明確になれば、それを解消するための対策を検討していくことになります
参考までに、コンサルタントは、以下のようなアプローチでクライアントの問題解決を進めています
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